「そろそろ心臓に穴開きそうだよ?」の続き
注意)寿君いい具合に壊れ・・・タ
***
「冗談は程ほどに」
「吾郎君、さっき言ってたタオル・・・!!」
「お〜、悪いな寿。」
固まる寿也。
タオルを持ったまま動かない寿也に、吾郎は歯ブラシを口に突っ込んだまま首を傾げた。
「寿?」
その瞬間、寿也の顔が一気に真っ赤になった。
「も、もう吾郎君!!!それ僕の歯ブラシじゃないか!!吾郎君のは隣の青いやつだろ!!」
(吾郎君と間接キス!吾郎君と!///)
「お?お?寿、顔赤いぞ?大丈夫か?別にいいじゃねえか。それに緑と青って似てるだろ?」
「全然違うじゃない!緑と青!青が良いって自分で選んだじゃない!」
「今日ぐらい良いだろ〜。怒るなよ!何だよ・・・そんなに嫌か?」
ちょっと拗ねて口を尖らして、小首を傾げて寿也の顔を覗き込む。
「嫌なわけないじゃないか!怒ってないよ!吾郎君その顔反則だよ!?緑だよ!(←?)」(かなり混乱中)
「おい!本気で大丈夫か??落ち着け!わかったから!俺が悪かった!口ゆすぐからな?」
急いで近くにあったコップで口をゆすぐ。
後ろからハッと息をのむ気配がして、吾郎はやっちゃいけない事をしてる事に気づく。
手に持つコップは寿也のだ・・・。
「ととととと寿く〜〜んv」
怒らせないように、満面の笑みで甘えた声を出して振り向くと、明らかにいつもと違う無表情の寿也が立っていた。
(!・・・・・ヤベー・・・・こいつここまで潔癖だったか?)
「寿也?寿く〜ん?と〜し〜?」
突っ立ったまま無表情の寿也にオロオロし出す吾郎。
一方寿也の方は、無表情を装ってるが、内心激しく葛藤していた。
(あああぁぁぁvv ごろーくん可愛いv コップが僕のだって気づいた時の反応とか、甘えた声とか、今もオロオロしちゃって、すごく可愛い!ああ、もう、どうしたいの?僕にどうされたいの?押し倒すよ?いいの?いっか?)
自分の良い方に思考を持って行ってる最中に、吾郎は何かを思いついたようで、寿也と自分のコップを持って洗面室を出て行った。
(え?吾郎君どこ行くの??まさか、怒らしちゃったとか?)
追いかけようとすると、吾郎がニコニコしながら戻ってきた。
「じゃーーーん!」
そう言いながら、吾郎は手の中にある二つのコップを寿也に見せた。
コップにはそれぞれ油性マジックで 「とし」 「ごろー」 とひらがなで大きく名前が書かれていた。
「これでもう間違えないだろ?だから寿、機嫌直せよ?」
別に怒ってなんかないけど、怒ってると思い込んでる吾郎の一生懸命の気持ちだ。
それが嬉しくて、さっきまで悶々としてた気持ちが晴れた。
「・・・ふふ。吾郎君、せめて漢字で書きなよ。」
「い、いいだろ!急いでたんだよ!」
そう言いながら、名前が見えるように二つ仲良く鏡の前にコトッと置き、それぞれコップの中に青と緑の歯ブラシを入れた。
それを見届けて、幸せな気分に浸りながら寿也は吾郎に背を向けた。
ただ、残念な事に茂野吾郎という男、悪いことも良い事も一言多い。
「それにしても・・・」
「え?」
寿也は洗面室を出ようとする足を止めて、鏡の前にいる吾郎を振り返った。
「こうやって下の名前書いたコップ並べて置いてると、バッテリーなだけに・・・」
「?」
ちょっとはにかみながら(あくまで寿にはこう見えた)エヘヘと笑った。
「新婚夫婦みたいだよな!な〜んちゃっ『ブハッ!ガンッ!!』
「Σと、寿!!???」
そこには血まみれになっているにも関わらず、幸せそうな顔の寿也が倒れていた・・・。
***
血はもちろん鼻血デスヨ
この寿君痛いなぁ〜・・・
この後、コップが並んでる所見ただけでニヤニヤするんだろなぁ〜・・・アイタタ
***超おまけ***
「寿!大丈夫か?お前血まみれだぞ!」
「あ・・・ああ、ごめん。あまりに不意打ちラブ☆パンチだったからね、動揺しちゃって・・・」
「寿?」
「ちょっと落ち着いてきていいかな?」
「お、おう!」
「じゃあ、吾郎君のベット借りるね」
「え?何で俺のベット!?」
「・・・・いいから、いいから」
「Σいや!よくねえよ!?その間、何だよ!おい!寿!!」
***
吾郎の匂い=精神安定剤
そろそろ本気で終わっとけ!
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